はな劇場

地下1階。土壁に囲まれた、アップライトピアノとステージだけの場末パブ。Googleマップには載っていません。

医師の奴隷労働と行列のできる裁判所(行列のできる法律相談所ではありません)

先日、ツイッターを通じて知った「無給医」という制度にとても不快感を感じました。少し前からこの件は話題になっていたようですね。でも、私はごく最近まで知らなくて...

 

 

ご存知の方もいると思いますが、これは本当にひどい。タイムカードに時刻が刻印されていて、給与明細書も出ているのにも関わらず、だれも訴訟を起こさないんですね。本当に、日本人は我慢強いと思います。

この話を夫にすると、「信じられない奴隷労働だ」と痛烈な批判。

奴隷というと日本語では強い言葉に聞こえるかもしれませんが、英語ではSlaveといい、Slave laborには「強制労働」という意味もあります。Slave laborは、東南アジア諸国のプランテーションなどでは、今でも現実に継続している問題です。

 

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10年近く香港に暮らしていた私にとっては、それだけの証拠(タイムカードや給与明細)がありながら、どうして誰も訴えないのかが理解できません。それだけ社会構造がゆがんでいるということなのでしょう。こういった事例が公にされるたびに、日本は未だに「精神的鎖国」をしているとしか思えないのです。

香港は訴訟社会です。なんでもすぐに訴訟を起こします。雇用の際には必ず文書で契約書を交わし、職業(職務)、職場、給与、勤務時間等が細かく決められます。いったんそれにそぐわない就労を強いられたりすれば、被雇用者はすぐに裁判を起こします。

例えば、ある日突然勤務地の変更を言い渡された、職務として定められている以上の仕事をするように強いられた、このようなことを雇用主が行えば、即刻裁判になってもおかしくありません。

香港は人口密度が高く、どこにいっても行列に並んで待つ時間が必要な社会ですが、裁判所も同じです。私が当時働いていた会社も何度か従業員に訴えられているので(中には、示談になったこともある)、私は社長に付き添って裁判所に何度か赴いたことがあります。


私たちのケースは民事裁判となりますが、裁判所の呼び出しは「〇時〇分に来てください」というものではなく、「〇時~〇時までの間に出頭してください」と出廷の時間に幅があります。裁判が多くて流れ作業的にこなすため、はっきりと「何時に開廷」と通達できないのです。

そして、裁判所の部屋の前には、たくさんのパイプ椅子が並べられていて、裁判を待つ人が行列を作っています。前の人の裁判が終了するとやっと自分たちの裁判になります。

裁判官は、音楽室にかかっているモーツアルトみたいなカツラ(白髪の縦ロール、裁判官によってスタイルが異なる)をかぶっていて、なかなかシュールな感じで...


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今回の記事を読んで、香港の裁判のことを思い出したので、ちょっとおもしろいかもと思って書いてみました。日本と香港、どっちが住みやすいとは一概に言えませんが、「そこまでガマンしなくちゃいけないのか、日本は」と思ってしまう一件です。