はな劇場

地下1階。土壁に囲まれた、アップライトピアノとステージだけの場末パブ。Googleマップには載っていません。

なぜ女性はいつも「あなたも悪い」と言われるのか

2018年6月28日、イギリスBBC Twoで伊藤詩織さんにまつわるドキュメンタリーが放映されました。

タイトルは「Japan’s Secret Shame(日本の秘められた恥)」、日本の性犯罪を取り巻く社会と法律、行政をモチーフとしたものです。

 

gogakumania.com


その中で、千葉大学の後藤 弘子教授はこうおっしゃっています。

暴行を受けた女性は、みなこう言われます、「あなたも悪い」と。

 

性的暴力を受けたのに、なぜ、被害者である女性が「あなたも悪い」といわれなくてはならないのか。

 

夜道を一人で歩いていたから?
ノースリーブやホットパンツを履いていたから?
男性と二人きりで食事に行ったから?
その人と一緒にダンスをしたから?
バーで会った男性に微笑みかけたから?
女性であるから?

 

女性の思考と男性の思考

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私は20代のころ、稽留流産(けいりゅうりゅうざん)の経験があります。初めての妊娠での流産だったので、とてもショックでした。

でも、その時の医師に「あなたは悪くない」と何回も言われて、救われました。

 

子供ができないのは私のせい?
女の子しか産めないのは私が悪いの?

 

女性はなぜ、こんな思考をしてしまうのか。その疑問が、最近頭から離れないのです。

 

私たちはなぜ、性被害に遭った女性に対して「あなたは悪くない」と言ってあげられないのでしょうか。

 

www.ted.com


Sheryl Sandberg氏は、「女性は自身の能力をより低く見積もってしまう」と説明します。

男性は、出世は自信が勝ちえたものだと思うのに対し、
女性は外的要因に理由を求める。
なぜ、成功したのかを男性に訪ねると彼らの答えは「僕がすごいからさ」
女性に同じ質問をすると誰かが助けてくれた、幸運だった、とても頑張った、などと答えます。…
データによると、出世と好感度は、男性の場合正の相関があるのに対して、女性の場合は負の相関がある

 

彼女は女性に対して「自分の業績と能力に自信をもち、男性と対等な交渉のテーブルにつきなさい」とメッセージを送ります。

 

何世代にもわたってトレーニングされてきた女性の思考

なぜ、女性は男性と異なる思考をしてしまうのか。

何か良い状態にあった時には、外的要因に理由を求め、何か良くないことが起こった時には「自分に非があったのではないか」「私が悪いのかも」と思考してしまうのでしょうか。

 

www.ted.com


上のTEDトークの中で、Tracee Ellis Ross氏は「何世代にもわたって女性の体は愛情と欲望の対象として使われ」てきたと言っています。

これは、ドキュメンタリー「Japan’s Secret Shame」の中で、Motoko Rich氏(New York Times東京支部局長)が語っていた「日本文化の中で女性は愛欲の対象物としてとらえられてきた」という言葉を彷彿とさせるものでした。

 

私たちの体は、私たち自身が思いのままにすることはできなかった。
何世代にもわたって、向こうのルールに従おうが従わまいが、
ひどい事柄に耐えざるを得ませんでした。
何世代にもわたって、女性の体は敬意に値しないものとして扱われてきたのです。

 

女性は何かひどい扱いを受けた時、それについての説明をつけようとするものだ、とTracee Ellis Ross氏は続けます。

女性は、手荒に扱われると説明をつけようとするものです。
一体何だったのかを理解しようとします。
「私のせいだったのかも、過剰反応してしまったのかも、敏感になりすぎているのかも…そういうものなのかもしれない…

 

でもそれは違う。

 

女性は、過剰に反応しているとか、敏感すぎるとか、自分も悪かったのかも、と考えるようにトレーニングされ続けてきたのです。何世代にもわたって。

 

女性は怒りを感じてもそれを隠そうとする、怒りを飲み込み、頭の片隅に追いやろうとします。なぜなら、女性は怒るべきではないとされているためです。

女性はやさしくて、朗らかで、従順で、いつも笑顔でいるものだからでです。だから女性は、何世代にもわたって、体に沸き立つ怒りを表現できませんでした。

 

彼女は女性に対してこうメッセージを送ります。

男性の悪い行いを改める責任は男性にある

 

性犯罪のケースに当てはめるのなら、こう言えるのではないでしょうか。 

「加害者の悪い行いを改める責任は、加害者にある。」

 

女性にとってパーフェクトな場所はない

性犯罪は世界中で起こっています。しかし日本の問題は、性犯罪と認知される件数が実際の件数よりも圧倒的に低いことです。

 

www.hrw.org


上の記事によると、日本で起こる性暴力のうち95%は被害届を出されないといいます。


伊藤詩織さんは、その著書「Black Box」の中で、スウェーデン他各国と日本の性犯罪に対する行政の対応を比較していました。

しかし、性暴力の被害者支援という点に関しては「どこの国の対策がパーフェクトかとは言えない状況」と「現代思想2018年7月号」の中で語っています。

 

社会や行政を動かすのは、私個人でできることは限られます。

でも、とりあえず、私は、性被害に遭った女性に対して「あなたは悪くない」と言える人間になりたい。

たとえ、彼女がミニスカートを履いていても。

 

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