はな劇場

地下1階。土壁に囲まれた、アップライトピアノとステージだけの場末パブ。Googleマップには載っていません。

夢を食べる男【詩】

夢を食べる男に出会った。
昨夜見た夢の中で、
彼は、私の悪夢を食べてやるといって、
私は目が覚めた

夢を食べられてしまうと、私はもう夢を見ないのか

 

夢を食べる男に出会った。
夢はどんな味がするのか、
悪夢を食べてもお腹を壊したりしないのか
夢を食べてやるといった男は、
本当に私の夢を食べてしまったのか

私はもう悪夢を見ない

 

夢を食べる男に会った。
夢を食べると彼は大きくなるのか、
それとも夢が現実化するのか
私はもう夢を見たくない
夢は私を苦しめる
夢を見るなら眠らない方がまし

それで、夢をその男に売った

 

夢を食べる男に夢を売った。
私の夢を彼の現実と引き換えにした
私はもう夢を見ない代わりに彼の現実を生きている
私は私になった夢を見ていた

そして、夢の中で彼に会い、夢と現実をすり替えた

 

夢を食べる男に出会った。
私は夢を見ない女
悪夢を見なくなった私はもう眠らないのか

それともずっと夢の中に閉じ込められているのか

 

 

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