はな劇場

地下1階。土壁に囲まれた、アップライトピアノとステージだけの場末パブ。Googleマップには載っていません。

【小説】真夏の胡蝶 最終章

私たちは悪夢を見ていたのだろうか。それともこれが現実ではなく夢の中なのか。 もと来た道を戻りながら、ダンは黙ってまっすぐ前の道路を見つめているだけだった。 「何を考えてるの?」 ここへ来るとき彼が私にした同じ質問を彼に問い返した。

【業務連絡】旅に出ます

2019年5月16日(日本時間では17日)より、旅行に出ます。そのため、ブログの更新とか、SNS、ネット関係もろもろは不規則になる予定です。…というか、そもそもそれほど規則正しくもアップしてませんでしたが、笑。

【小説】真夏の胡蝶 6/7

私がシーツと枕カバーを洗濯しているとき、ローラはやって来た。玄関先に止めてあった私たちの車のすぐ後ろに、彼女が自分の車をつけるのが見えた。 「ハイ、エリ! ダン!」 「久しぶりね。元気だった?」

【小説】真夏の胡蝶 5/7

翌朝は六時前に目が覚めた。この時期とっくに空は明るくなっている時間だ。すでにダンが起きていて、キッチンでコーヒーを入れていた。 二階のゲストはまだ起きた気配がない。特に娘の方はよく眠るほうだと言っていたので、遅い朝食になるかもしれない。

【小説】真夏の胡蝶 4/7

「ボストン大学での任期が終わったらベトナムにもどるのかい?」 チェーンソー用オイルの入ったボトルを持って屋内に戻ってきたダンは、歓談するピーターの目の前にビールが置かれているのを見て安心した。 「ええ、でもまた、こっちに戻ってきたいと思って…

【小説】真夏の胡蝶 3/7

一階のダイニングルームに降りて、お腹が空いているという親子にチャーハンを食べてもらった。私たちはあまり食欲がなかったので、サラダをつまむだけにしておいた。時刻はすでに三時を少し回ったところだ。

【小説】真夏の胡蝶 2/7

トランクを閉める手に力が入り過ぎたのか、思わず大きな音を立ててしまったらしい。隣の家の二匹の犬が吠え始めた。こういうとき、音や臭いに敏感な動物は本当に目障りだ。

【小説】真夏の胡蝶 1/7

カナダにしては暑い夏だった。眠れるはずがないと思っていたのに、いつの間にか熟睡してしまったらしい。夜明けからの肉体労働が意外に堪えたのだろう。 玄関の扉をバンバンと叩く音で飛び起きた。一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなったが、すぐに隣人…

【小説】真夏の胡蝶―予告編

新しい小説「真夏の胡蝶」の公開を準備しています。予告編です、笑。

眠りの音【詩】

眠りの音。波の音。よせては返す、海の音。不規則正しい繰り返しの音は、ぬぐいされない僕のこころを洗って流す。

物書きの本能

なぜ、文章を書くのか。 古代の昔にも、人は壁画を描いたり、儀式で舞踊を披露した。 隣人Tがいうように、これはヒトのDNAに刻まれているのか。歌うたいが歌を歌うように、踊り子が踊りで自分を表現するように、物書きがモノを書くのは本能なのではないか。

森の中で朽ちて倒れる木

晴天にもかかわらず雷のような轟音が響き渡り、私は身体を起こした。周りを見渡しても特別何も変化はなく、いつもの森の静けさに戻っていた。 午後になって、小道を散歩して初めて、その音の正体を知った。 車道に近い森の小道の傍らで、真っ黒に腐った木が…

夢を食べる男【詩】

夢を食べる男に出会った。昨夜見た夢の中で、彼は、私の悪夢を食べてやるといって、私は目が覚めた 夢を食べられてしまうと、私はもう夢を見ないのか

好きな文章を暗誦することでライティングスキルは上達するのか

学校での国語の授業、とくに古文や漢語ではよく文章の暗誦をさせられました。これって、今の国語教育でも同じなのでしょうか。平家物語、枕草子、俳句や絶句を丸ごと覚えて先生の前でテストされました。

旅人のつどいー我が家のゲストたち

私はバックパッカーなんだけど、昨夜はひょんなことがきっかけで、我が家に旅人が4人集まることになった(私も入れて4人ね)。